2022/06/27

注染は同じ柄でもいろいろ


新作「四葩」の紹介記事でも触れていますが、注染は同じ柄でも仕上がりにそれぞれ個性があります。

そして、そこが魅力でとっても面白いところでもあります!

私は注染の体験が少しは有るものの職人ではないのでいくらか想像も入っていますが、ボカシに個体差が出るのはまず堤防役である筒糊の手描きのラインが毎回同じにはならない事、2色の染料を注ぐタイミング、方向や勢い、染料吸引の回数やタイミングなどが関係しているのだと思っています。

そして、全て人が行う事なので、毎回全く同じことにはなりません。

またその日の気温や湿度などの環境からも、染料や糊が影響を受けたりして柄の出方や色合いも変わってきたりします。

例えば30枚位ごとで染めたとして、差し分けなどのボカシなんかはその染めた単位では似た具合になっていて、その30枚の中で小さな違いが出ていることが多いです。
ですが別の30枚の単位どうしでは、大きく違った感じに仕上がっている事もよくあります。

「たいりん」も中心部分のボカシが大きめで明るめに出ているものや、小さめで濃いめに出ている仕上がりのものがあったりで、それぞれに少し印象が違います。

注染のこういった独特の味わいや魅力を伝えられるよう、デザインも工夫していきたいと思っています。