2014/06/13

新柄「アズレージョ」の型彫り過程


ただいま開催中の個展にてお披露目、新柄「アズレージョ」の型彫りの過程をご紹介します。

型紙は「渋紙」という数枚の和紙を柿渋で塗り固めた丈夫な紙を、専用の道具で彫り上げてつくります。
「彫る」と言いますが、切り抜くと言った方が伝わりやすいと思います。
私は、デザインを出力した下紙を渋紙に張り付けて、その紙と渋紙を重ねて一緒に彫るやり方でいつも彫っています。

型は原寸でつくり、色を染めたい部分(白地の方ですと青く染まっている部分)を残すように彫り上げます。
なるべく、柄の染まりの部分が繋がっている方が彫りやすいのですが、今回の様にパーツが離れていてバラバラになっている場合は、橋の様な繋ぎの役割をしてくれる「ツリ」をデザインにプラスした状態でまず一度、彫り上げます。



特に細かいデザインだと、彫っている最中に貼付けた下絵の紙が破れたりちぎれたりしてきます・・・
(その部分が 彫った後なら気にせず進めていきます)


「ツリ」を含めた、全部が彫り上がるとこのような感じになります。

下絵として使っていた紙をはがし、今度は新聞紙を使って裏打ちをします。
お水に少量の小麦粉を混ぜて煮立たせた糊を作り、それを塗って渋紙と新聞紙を貼付けます。



光に当たって新聞紙の文字が後ろから透けていますね☆
つくる過程での、その時にしかない姿をみるのが好きです。

最後に、「ツリ」を切り離していきます。
この時が結構、緊張します・・
上手く新聞紙に密着できていないと、小さなカケラが剥がれてどこかへ行ってしまったり。。
この作業も、量が多いと時間がかかります。



ようやく実際の柄が出てきました。



彫り上がりです。

この後、職人さんに漆を使って紗張りをしてもらい、染めの職人さんの元へと渡っていきます。

彫りの作業は柄のラインが決まる重要なところですし、自分が力を注げる手仕事の部分は主にココですので、特に気合いを入れて取り組んでいます。
若干我流な部分も有り、本格的な彫師さんと比べたらまだまだ本当に未熟ですが・・
日々精進・・自分なりに極めていけたらと思っております!

ご紹介した写真は、個展会場のアルバムでもご覧頂けます。
本日も入れて会期はあと3日間、最後までよろしくお願い申し上げます。