2014/04/07

注染と藍染

今度のARTS&CRAFT SHIZUOKAには、昨年の9月から少しずつはじめていた藍染の手ぬぐいを持って行く予定です。

注染てぬぐいの上から藍を重ねて染めたもので、
うっすらと注染で染めた元の模様が、藍の色の下に透けて見える感じのてぬぐいです。


注染はプリントとは違って、毎回完璧に同じ物を染める事が出来ない技法です。
染めるたびに色合いが微妙に違っていたり、時には滲みやムラが出てしまったり、ボカシを使っているデザインだとボカシの具合を常に一定にコントロールする事は難しくて、毎回違った感じになってしまいます。

こうゆう言い方をしてしまうととてもネガティブになってしまうのですが、逆にこの完璧でないところや一枚ごとに特徴が異なる事が、実は注染の魅力だと思うのです。

例えば・・
過去にボカシが思い通りにいってなくて、かなり予想外の結果になってしまった手ぬぐいを、販売するかどうかも少し迷ったりしつつ、試しにデザイン通りに染まった物と一緒に並べてみたところ「こっちの方が好み」と予想外の結果になった方をお客さまがお選びになった時には、とてもびっくりしました。

何が正解か分からないな、と思いましたし、失敗か成功かを決めるのは人それぞれだったりもして、私が簡単にこれは失敗!なんてB反(難あり)に決めつけてはいけないな、と学びました。
そもそも成功と失敗だけに分ける事はできません。

とは言っても注染てぬぐいを作る時にはこのB反の発生が避けられない事は事実で「ボカシの仕上がりが予想とは離れた結果」という事以外にも、色がブレ過ぎてしまったとか、一部染まりの具合が良くないとか、逆に染まって欲しくない所が染まってしまったとか、並べていたら部分的に日焼けしてしまったなどなど・・問題が出てくる事があります。

(このブログをもし職人さんが目にしたらお気を悪くされてしまうかもしれません。申し訳ございません・・染めて下さる職人さんには本当に心から感謝しています。注染の難しさを伝えたくこのような事を書いております。どうかお許し下さい・・・)

ただ技法の特性上、特に染まりに関して等ある程度は避けられないのでお客さまにもご理解いただきたいと思っているのですが、何か目立つものがあった場合や出てきてしまった時にはB反なってしまう事もあります。

私はこれらの手ぬぐいをただ捨てたり、B反として値下げして販売する事をなるべく避けたいと考えていて、大切にとっておいてあります。

そういった大切にとっておいた物を蘇らせたいと思った事が
藍で染め重ねる事をはじめたきっかけでした。
例えば染めムラなどは藍が重なる事によって目立たなくなったりします。

藍の世界は深く、まだまだ勉強が足りないところもございますが、これから少しずつ並べていきますので、ご覧頂けましたら嬉しいです。

一点一点、染まりが違うのでぜひ広げてご覧下さいね。
本当に少しずつしか持って行けませんので、いくつかの種類をご覧ただきたい場合は早めにお越し頂く事をおすすめ致します。

注染てぬぐいを更に藍という高価なもので染め重ねているため、どうしてもお値段は手ぬぐいにしては高めになってしまいますが・・藍だけが持つ魅力が新たに加わり、とても気に入っています。
お立ち寄りの際は、ぜひ、ご感想だけでもお聞かせ下さると励みになります。

☆ - 次のブログではどこでどんな藍でどんな風に染めてるかを書きたいと思います - ☆